倫理的な戦争

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レビュー : 9
著者 :
panpakaさん 外交・歴史   読み終わった 

1997~2007年までイギリス首相を務めたトニー・ブレア首相に焦点を置き、コソボ空爆からイラク戦争に至るまで彼がどのような信条と環境の中で決断を行ったかが詳細に記されている。

就任当初より倫理的対外政策や国際コミュニティの結束を説いたブレア首相。彼の政治・外交倫理はサンマロ合意とそれ以降のESDPの発展に寄与し、またコソボやイラクに対する空爆に対しても成果を上げていた。これらは国際協調のうちに軍事行動を行うことで成功したのであり、イギリスはこの間アメリカとヨーロッパの懸け橋として機能していた。

しかし、9.11テロ以降、特にアフガン戦争以降のアメリカはいわゆるネオコン勢によって単独行動主義に走っていく。アフガン戦争に好意的だった欧州各国もイラク戦争には消極的であり、アメリカと欧州の間でブレアは苦悩することとなる。

最近の事象であるにも関わらず、豊富な資料を用いてあたかもパズルのピースを繋ぎ合わせていくかのように構成される論説には敬服する。若干イギリスよりの見解ではあるが、キーパーソンに焦点を絞り政策決定の過程を追った良書。

レビュー投稿日
2011年10月3日
読了日
2011年9月29日
本棚登録日
2011年9月20日
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