根源も論理も必然も欠いたまま、天皇とか、民主主義とか、差別といったそれぞれの魂は今や、車の排気ガスやカラオケの騒音に混じって、時代の只なかに不可視の綿埃のように漂っている。成長も消滅もせず、誰も取り除かず、誰かが関わりをもっているのだが、すでに社会的合理性を失い、言葉の喚起力を失って、それでも現にたしかに在るのは間違いない民主主義の綿埃に、なすすべもなく苛立つのだ。
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カテゴリ:
2008
- 感想投稿日 : 2008年3月23日
- 読了日 : 2008年3月23日
- 本棚登録日 : 2008年3月23日
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