宮島喬『多文化であることとは 新しい市民社会の条件』岩波書店、読了。グローバル化と人口減少社会の到来は、異なる人々との共存を必然する。違いを認め対等な関係を構築し、相手の立場で考えることが必要になる。本書は欧州の移民問題を研究する社会学者の手による「多文化共存社会」実現の処方箋。
「差異」とは、自分の差異が人から商人されていて、違ったままでいても処罰や排除の不安がないこと(Z・バウマン)。内向きなナショナリズムが強まり、同化を共生と勘違いする文化をスライドさせる上で本書は非常に有益な一冊。
終章で在日外国人への差別煽動に言及。国家間に緊張があっても、身近に生きる異文化の人とはそれとは全く関係がない。そこから連帯可能性を感じることが必要であろう。「その可能性には、筆者は悲観的ではない」。背中をおされる。
参考:築こう多文化共生社会 宮島 喬さんに聞く(2012.2.18日本経済新聞)
http://www.bochao.jp/article/14293984.html
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
ポストコロニアリズム
- 感想投稿日 : 2014年4月24日
- 読了日 : 2014年4月24日
- 本棚登録日 : 2014年4月24日
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