小山慶太『寺田寅彦 漱石、レイリー卿と和魂洋才の物理学』中公新書、読了。漱石門下の寅彦はその文才でつとに名高いが、学師はノーベル賞科学者レイリー卿。古典物理学と量子論の交代期を生きたレイリーは「空はなぜ青いか」を解明した最後の道楽学者でもあったという。本書は二人の師匠の関わりから寺田物理学の神髄に迫る一書。
寅彦は随筆や俳句を発表し、芸術も嗜んだ。アートに愉しむ如く、意表をつくテーマの研究に没頭した。同世代の科学者が先端の吸収に明け暮れる一方で、寅彦は、研究をまさに「愉しんだ」。「ねえ君、不思議だと思いませんか」。人が「研究する」意義を本書は問い直す。
読書状況:読み終わった
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評伝
- 感想投稿日 : 2013年7月5日
- 読了日 : 2013年7月5日
- 本棚登録日 : 2013年7月5日
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