• 講談社 (1982年11月1日発売)
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感想 : 3

奥泉光の『滝』の参考に。
純粋な情熱の行く末はやはり死でしかない。汗とかけ声の陶酔、面金ごしに視る瞳の色、袴の脇から覗く素肌の鮮烈なエロティシズム、若い肉体の躍動美。その官能的な描写に頰を熱くして読んだ。そして少年の大人の男への憧れ、海が重要なモチーフであるところなど同時期に書かれた『午後の曳航』にも通じる。詩の罠の中をそれとは知らずに、悠々と通り抜けることができた次郎も海に惹かれ海を視界の片隅から追い出しながら、結局は海に裏切られ破滅させられる。
『奔馬』共通するモチーフ、傷ついた鳥、蛇、白百合などの象徴するところは何だろうか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(日本)
感想投稿日 : 2015年5月14日
読了日 : 2015年5月14日
本棚登録日 : 2015年5月14日

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