うつろ舟―渋澤龍彦コレクション   河出文庫

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本棚登録 : 246
レビュー : 32
著者 :
浮舟さん 海と船   読み終わった 

『ダイダロス』は由比ヶ浜の砂に埋もれた大船がモティーフ。実朝自体は登場しないが、彼の寂寞、墜えた夢が濃霧のように朽ちていく船を覆っている。
表題の『うつろ舟』補陀落渡海ではなく「他界から来た神々の乗り物」としてのうつろ舟。言葉通りならば中は空っぽということか。諸行無常 の法文を象徴しているのだろうが、そんな故事説話、死や仏法さえも作家の手にかかれば皆等しくお遊びの種になる。
どの短編も稚気とユーモアが感じられて、後味は清々しい。澁澤玩具のイリュージョンにクラクラと酔う悦び。

「わたしは実朝公の夢に、かたちをあたえてやりたかった。もし実朝公が空を飛びたいといったら、翼をつくってやったかもしれない。まあ、一種の玩具のようなものだが、わたしはもともと職人だからね、玩具をつくる以外になにができたろうか。それに、あの実朝公が、玩具以外のなにを必要としていたろうか」

レビュー投稿日
2015年4月18日
読了日
2015年4月18日
本棚登録日
2015年4月18日
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