森の穴に住むキツネと、3人の農夫との戦いです。
おデブな養鶏業者Boggisに、鴨とガチョウを飼育する太鼓腹のチビBunce、それに七面鳥を飼育しリンゴ農園を持つヤセのBean。この3人は、いつも農産物を盗んでいくキツネを退治しようと立ち上がる。キツネたちの住む穴の周りを取り囲むと、キツネたちは外に出られず、餓死寸前のピンチに。そこで、愛する妻と子供たちを守るべく、Mr.Foxはある作戦を開始する。
困りますよね、農作物を荒らす動物たち。よくテレビのドキュメンタリー番組なんかで、そういった動物たちを様々な方法で撃退しようとする過程を見ます。でもいたちごっこでなかなかうまく行かなかったりして。
それがねぇ、この本を読むとね、動物たちを応援してしまうんですねぇ。なにしろキツネだけじゃないんですよ。飢え死にしそうになっているのは。しかもみんな、たくさんの子供たちを抱えた家族だからなおさら応援しちゃうんです。
しかし、作戦遂行中に出会うアナグマが、自分たちのしてることはドロボウなのではないか、とちょっと考えるんですね。この辺は、児童書らしく、これは本当は悪いことなのだという罪悪感をちょっとだけ芽生えさせる意図が見えます。ところがそれに対するMr.Foxの答えがね、良いんですよ。胸打たれるものがあります。
ラストは、もう、笑ってしまいます。人間ってアホやねぇ、と。出た、ダールの皮肉! って感じ。農夫たちには悪いけど、気分爽快です。
読了日:2006年7月28日(金)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
洋書
- 感想投稿日 : 2009年7月23日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2009年7月23日
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