よかった。
小説家の私と息子と犬のアポロの、静かで、ときに残酷で、優しくもある不思議な空気を纏った連作短編集。
各短編の時系列は違うけれど、読了後にもう一度最初に戻って読み直したくなる。
いちばん好きなのは「失踪者たちの王国」。
さよならも告げず、未練も残さず、秘密の抜け道をくぐってこちらの世界から消えていった、失踪者たちが住むという王国。
客観的なフリをしながらもどことなく失踪者たちの王国に惹かれているような“私”の不安定さと、空気感が、絶妙。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2017年5月30日
- 読了日 : 2017年5月30日
- 本棚登録日 : 2017年5月30日
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