貴重な本。
明治政府のお雇い外国人のひとりだったジョサイア・コンドルに興味を持ったきっかけは、2010年、丸の内にオープンした三菱一号館美術館だ。
1894年に三菱が丸の内に建設した初の洋風事務所建築である「三菱一号館」を復元し、印象深い企画展をいくつも開催している美術館だ。
その「三菱一号館」をはじめ、鹿鳴館や 古河虎之助邸、島津家袖ヶ崎邸などを設計したのがジョサイア・コンドル。
辰野金吾らを育て上げ、河鍋暁斎に弟子入りして日本画を学び——興味本位で学んだのではなく褒賞を獲得するほどの腕前——日本人女性と結婚し、日本に骨を埋めたという。
もともと画家志望で、日本の庭と生け花の著書まである。“一芸に秀でるもの多芸に通ず”を地でいってる人じゃん。暁斎ももちろん凄いけど、詳細な記録と深い理解を有するアンタが凄いわ!
中盤の詳細な制作過程は、コンドル自身が言うようにやや眠気を誘う部分があるが、これほどまでに貴重な記録を残してくれたことに感謝したい。
今度この本を持って河鍋暁斎記念美術館を訪ねてみようと思う。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
アート・写真
- 感想投稿日 : 2013年12月5日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2013年12月4日
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