家族アート (シリーズ「物語の誕生」)

著者 :
  • 岩波書店 (1992年7月6日発売)
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<出物、腫れ物>

 人間からは、いろんなものが出ている。おしっこ、うんこ、汗、精液、涎、痰、涙…。

 小学生の時、クリタ君とタナカ君とカツミ君がよくパンツの脱がせっこをしていて、その時の甘いような、おしっこの匂いは自分も同じだった。(男のおしっこと、女のおしっこのにおいは何故あんなに違うんだろう)

 物語は、夫とコドモと暮らす「わたし」の日常が展開されていく。それは何がフツーの生活なのか、ということを意識させる生活だ。

 おもしろがること、が基本にある。

 「経血を吸い込んだタンポンからは、体内のにおいがたちのぼりました。おしっこも、精液も、唾も、汗も、血も、乳も、体内からしみ出るものは、このにおいがします。わたしは小さい頃から体内からしみ出たもののにおいを嗅ぐのが、きらいじゃありませんでした。自分の持ち物にそのにおいをこびりつかせるのも、きらいじゃありませんでした。」

 不安な世の中を、おもしろがることで、突き抜けようとするとき、確かな体のにおいは何がしかの安心材料であるには違いない。

2006-07-19 / 小川三郎

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年4月17日
読了日 : 2006年7月29日
本棚登録日 : 2015年4月17日

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