嘆きの美女 (朝日文庫)

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本棚登録 : 1173
レビュー : 120
著者 :
yocoさん 日本の小説   読み終わった 

「美人」か「ブス」か。
どちらか選べると言われたら美人になりたいけれど、美人だからといって何もかもが上手くいくわけでも、ブスだからといって何もかもが上手くいかないわけでもないですよね。

そういう意味では、「ブス」だから、と周りを妬んで引きこもって、呪詛を吐きながら生きるのも、「美人」だから、と叩かれないよう自分を殺して曖昧に微笑んで過ごすのも対極でいて似ているような気がします。要は容姿に囚われすぎなくてもいいんだと思います。容姿の持つ影響力は大きいけれど。

本書では変わった共同生活を経て、互いの強みを吸収しながら自分にしていた「言い訳」を捨てて強くなっていく魅力的な女性が描かれていました。
綺麗な部分だけじゃなくて醜い部分もしっかり書かれているのがまたいいですね。人間だから、時にやさぐれて八つ当たりしたくなるような時期だってありますよね。

それから改めて思ったのは、それぞれ人にはその人に合う活躍できる領域があるということ。女子大卒業後に入社した保険会社は、同僚になじめず半年で辞めて、アルバイトも続かなかった主人公だけど、それは主人公が駄目だったというより、主人公に合わなかったということに過ぎなくて、そういう意味で自分を知って、自分が一番輝ける場所で働けるというのはとても重要なことに感じます。
我慢強い人ほど合わない環境でもなんとか耐えて過ごしたりするけれど、本当は一歩踏み出したらもっと自分に合うところが見つけられるんじゃないか、なんて。
なので、一歩踏み出した人たちの物語はカッコよくて魅力的。

それから個人的には番外編の「耶居子のごはん日記」が大好き。本書に出てくる食べ物たちにはすごくわくわくさせられます。初柚木さんでしたが、おもしろかった。

レビュー投稿日
2015年1月24日
読了日
2015年1月24日
本棚登録日
2015年1月24日
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