これは、ものすごく、よかった。
ずっと家に積んでいた本の1冊ですが、まさかこんな掘り出し物が眠っていたなんて。いまだ余韻が残ってます。
本書は、一人の少女の成長の軌跡を綴った物語です。
行間に風を感じる軽やかで物腰のやわらかい文体。
等身大の日々が丁寧に描かれ、押し付けのない距離感。
読んでいて、ものすごく居心地がいいです。
そして、それぞれのステージで語られる家族のこと、恋愛のこと、仕事のこと。
どれもが重くなく、さらりとしてる。それでいて求心力があるから、胸を打つ。
どんな風に表現すればこの質感を伝えられるのかわからないけど、今まで読んだ宮下さんのどの作風とも違ってました。まだ、ドキドキする・・・。
どのステージもいいけれど、特にNo3とNo4はいい。
原石が磨かれて光っていく様・・・というのは、なんて心地いいものなんでしょうね。
家族の話も、恋愛の話も、仕事の話も、どれもこれもが本当にいい。とくに厳しくもブレない祖母やとびっきり大人な茅野さんがお気に入りです。
心が荒んだらまた読み返そう。
胸を爽やかな風が通り抜ける気持ちのいい読了感でした。おすすめです。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
日本の小説
- 感想投稿日 : 2015年11月24日
- 読了日 : 2015年11月24日
- 本棚登録日 : 2015年11月24日
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