憧憬☆カトマンズ

著者 :
  • 日経BPマーケティング(日本経済新聞出版 (2011年6月1日発売)
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本棚登録 : 623
感想 : 156
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暗い現実なんて吹き飛ばす、「ウルトラハッピーエンドな話」
確かにこんなの、現実的にはアリエナイッティ!なんですが、小気味よく楽しく読ませてもらいました。
主人公は29歳という、女性にとっては転換期となりやすい年齢。焦るよりは楽しく、恋に、仕事にひたむきな女性は、まさに日経ウーマンに連載されただけあって読者の心を掴むものでした。

言葉遣いが結構チャラチャラしていて楽に読むことができるんですが、真面目に仕事に取り組む彼女たちは傍から見ていてカッコよくて。
「採用段階でしょっぱなから低学歴なあたしら切り捨てておいて、社員が誰もやりたがらない仕事だけ低学歴の派遣に押し付けて、そんな派遣に会社に対する責任持てって、辞められたら困るって、ナニサマだよあんたら。勝手にこの子が育ったとでも思ってんのかよ、あたしがここまで使えるように育てたんだよ、派遣のあたしがね。」
と、啖呵を切る場面なんて、痺れます。

中高生の青春とは違った、大人の青春といったキラキラ感もまたすごくよかったです。
確かにリアルな小説もいいけれど、せめて娯楽である小説くらい、キラキラした幸せ満載なものを見せてほしい。
そういった意味で、手軽に気楽に楽しめる、1冊でした。

あとがきでは、リアリティとかくそくらえ!なそこのあなた。ぜひとも既刊の「セレモニー黒真珠」および「野良女」と併せてこの本を3倍楽しんでください。と書かれていて、もともと気になっていたそちらの本を読むのがますます楽しみです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 日本の小説
感想投稿日 : 2016年6月4日
読了日 : 2016年6月4日
本棚登録日 : 2016年6月4日

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