夜と霧 新版

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本棚登録 : 8927
レビュー : 1066
制作 : 池田 香代子 
yocoさん 自分と向き合う   読み終わった 

再読です。
といっても、以前読んだのは旧版。大学生の頃でした。
強制収容所における人間の在り方について精神科医であり、心理学者でもあるE.フランクルが書いた本書は、あまりにも有名ですが、私の人生における読めてよかった本ベスト10に間違いなく入る1冊です。

貪るように、読みました。
初めて読んだときは、強制収容所の凄まじい境遇にショックを受けて、背筋が凍る思いでした。
今でも、あってはならないことだったと思っています。
それでも今回は、そんな中においても人間として最後まで良心を保った人がいたということの、人間の尊さと強さにこそ、むしろ目がいきました。

人間というのは環境に左右される生きものだけど、圧倒的不利な境遇を乗り越えて前に進んできた前人の存在から、環境が100%その人のあり方を決めるのではないことを私は知っています。
本書でも、読み進めていくと「人間の魂は結局、環境によっていやおうなく規定される」と一見思えるかもしれないけれど、実際のところ語られているのは、「たったひとつ、あたえられた環境でいかにふるまうかという人間としての最後の自由だけは奪えない」ということです。
これは、ものすごいことです。
なにせ、これだけ劣悪な環境においても魂の自由を守り抜いた人たちがいたのです。

注目すべきは、私たちの心の内面です。
一体、絶望の中で生きることを投げ出してしまった人たちと、最後まで生き抜いた人たちの心のあり方はどんな風に違ったのでしょうか。
ここでは、人間を精神的に奮い立たせるには、まず未来に目的を持つこと、すなわち、未来を信じられることが必要と述べています。自分のためでも、誰かのためでも、何かのためでも、未来に目的がある人間は「なぜ」生きるのかがわかっている。だからこそ、どんな境遇でも心を強く持てるのだと。
何もそれがあれば無敵というわけではないけれど、暗闇の中の一筋の光となって、前に進む力をくれるのでしょうね。

再読にもかかわらず、すべてを消化できていません。
苦しいときにこそ、再び読みたい。
フランクル医師が理性と医師としての使命感でもってこの苦しみを乗り越えたように、私もここに綴られた貴重なエッセンスを余すことなく心に染み込ませ、公私ともに活かしていきたいと思いました。

レビュー投稿日
2016年3月17日
読了日
2016年3月17日
本棚登録日
2016年3月17日
8
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