悲歌 (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年1月25日発売)
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本棚登録 : 342
感想 : 14

初読み作家さん。Kindleフェアの時にたまたま購入。うーーん、まあ、可もなく不可もなくだったかなあ。タイトルの通り、もの悲しさのあるお話3編の短編集。3つ目の蝉丸は少し長かったですが。
目次を見て、はて変わった目次だなと思っていたら、あとがきを読んで能楽をベースにしたお話だそうで。元の能楽がわからないから、なんとも言い難いところ。

愛ゆえにままならない。しかもそれは表立って言えない愛。自分を騙さなければいけないほどの愛。性別を超えた愛、人倫を超えた愛というのかなあ。どうにも想像しがたく。文章もけっこうキツイというか角があるような、硬いような印象でした。なんとなくその辺りが感情移入できなかったのかなあ。
隅田川はとあるカメラマン(女性)の体験談的お話。カメラに涙のフィルターとかは良かったですが、隅田川から薔薇の花びらが舞いあがるというのはねえ、どうなんでしょうか。定家は、結局愛憎のもつれというところか。蝉丸はもう三角関係?四角関係?もつれてこじれて結局誰も救われることなく・・・じゃあどうすれば良かったのか、なんて答えもなく。最後の終わり方は唐突過ぎた感じがするけど、こういう終り方しかないか、という気もする。
元となる能楽がどのようなお話だったのか気になるところ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年2月22日
読了日 : 2015年2月19日
本棚登録日 : 2015年2月22日

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