ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー (新潮文庫)

  • 新潮社 (2021年6月24日発売)
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「2023年読みたい3冊」のうちの一冊をさっそく読んでしまった。
またもや、良い本に出会ってしまった。
評価が高く、たくさんの人に注目される理由がわかった。

著者や著者の息子のような経験をする人はそう多くはないだろうし、この日本に住んでいる限り、日常では考えないような深いことを、よくぞ共有してくれました、教えてくれました、という気がした。
あんまり関係ないよね、そんな環境にいないし、日本じゃそんなことそうそう起こらないよ、ではない。知るって大事。

「多様性は楽じゃない。じゃ、なんで多様性は良いのか?それは無知が減るからなんじゃないかな」
という著者と息子さんのやり取りがすごくよかった。多様性へのひとつの解をもらった気がする。
例えば、この地球上にひとつの種族しかいない、ひとつの民族しかいない、ひとつの言語しかない、とかだったらこんなしちめんどくさい多様性なんて不要かもしれない。でも、そうじゃないんだもん。どう見たって、地球は多様性に溢れているんだもの。それに結局は人間って飽き性だから、多様性へ向かう気がする。だったら、楽じゃなくても多様性へ自分を開いていかないと・・・なんて考えるのは、やっぱり著者が福岡で経験した2つのことがなんか情けなかったから。田舎だからしょうがないよね、田舎じゃ外人さんって目立つもんね~なんて時代じゃないんだYO!(私も福岡出身のため、ちょっと熱くなってしまった)

息子さんの物事を見る視点の素晴らしさに感動すら覚えた。やはり母親である著者が素晴らしいのか。「おめぇ」とか言葉は汚いけど(笑。英語をあえてそう訳すのは、そういう英語を実際に話してるからなのかな?)、旦那さんもハッとするようなことをよく言う。

井の中の蛙にならないようにも、本書、おすすめです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2023年1月16日
読了日 : 2023年1月15日
本棚登録日 : 2023年1月3日

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