堤中納言物語―マンガ日本の古典 (7) 中公文庫 (中公文庫 S 14-7)

著者 :
  • 中央公論新社 (1999年10月18日発売)
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感想 : 17
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坂田靖子+堤中納言物語=極上の娯楽。
「伊平次とわらわ」シリーズでも、古典と漫画の緩やかな融合を見せている坂田氏の、作品に流れる呑気さと一抹の狂気がとてもたまらない。

原典がもともととても面白い「堤中納言物語」であるが、やはり古語で書かれているものを読もうという気はなかなか起きないものである。
坂田氏はその敷居の高さをひょいと越えて、親しみやすく可愛らしくとぼけた人物たちを生き生きと描いている。古典が苦手だった人に手に取ってほしい。
杉浦日向子女史が江戸時代からやってきたような作風だったのに対し、坂田氏はまるで平安時代の女流作家さながらである。時代を切り取る眼がしっかりしている。しかし、19世紀ロンドンを舞台にした「バジル氏の優雅な生活」など、ヨーロッパを舞台とした作品も数多く描き、それらもまた時代や土地の空気をあっさりと描ききるその作風が不思議である。もちろん現代ものも面白い。
どこにいても変わらない人、というのが坂田氏にぴったりくる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 漫画
感想投稿日 : 2012年12月7日
読了日 : 2012年12月7日
本棚登録日 : 2012年12月7日

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