あきらめない人生: ゆめをかなえる四〇からの生きかた・考えかた

著者 :
  • 海竜社 (2005年5月1日発売)
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本棚登録 : 22
感想 : 4
5

漫画「ベルサイユのばら」の作者として有名な池田 理代子さんが、50歳を超えて振り返る自らの半生、そして人生観を赤裸々に綴った傑作。

47歳にして東京音楽大学の声楽科に合格し、50歳を越えてプロの声楽家としてデビューしたという稀有な体験に基づいた、「あきらめない」信念が胸を打ちます。

「先に限りがあるとあらかじめ分かっていて、決して一流にはなれないと分かっていて、それでも全力で挑戦せずにはおれない悲しみというものが存在することを、私はこの頃しみじみと味わっている」
(本文より)

正直いってこの人が、ここまで真摯な努力家だなんて思ってませんでした。運よく成功を掴んだラッキーガール、くらいにしか思ってなかった。浅はかでした。
自分は本を読んで泣くことなど滅多にないのですが、池田さんの声楽の師匠である東敦子さんが、末期ガンに冒されながらも最期まで声帯に悪影響のある治療(放射線照射やホルモン療法など)を拒み、
「神様から頂いた喉だけは無傷のままお返しできました」
と言って亡くなった逸話では涙が零れるのを止められませんでした。

また、自分は滅多に他人に本を薦めることは無いのですが(なんだか押し付けがましい気がするので)、この本だけはすべての人に一読なさることを強く強くお奨めします。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 伝記・自叙伝
感想投稿日 : 2008年3月2日
本棚登録日 : 2008年3月2日

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