殉愛 (もえぎ文庫)

著者 :
  • 学研プラス (2011年11月15日発売)
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本棚登録 : 70
感想 : 9
3

 阿久津敬吾は、営業のみを専門に行う会社で部長を勤める営業のプロ。
 元々、親会社から営業だけを専門に行う会社を作りたい、と言い、阿久津が中心となって立ち上げた会社だった。
 仕事は順調で、私生活では子供がいないながらも、洋裁や着付けを教える妻の智恵と順調な夫婦生活を送っていた。
 部下の辻沢朋之も、繊細な見た目から「営業」という仕事には向いてないのではないか、と危惧されたものの順調に営業成績を伸ばしていた。
 そんなある日、いつものように辻沢と一緒に、営業成績がイマイチである「広島営業所」へと出張へ向かうことになった日。
 運悪く、受験日と重なってしまい、シングルの部屋もツインの部屋も取ることもできずに、ダブルの部屋で二人で寝ることになってしまう。

 その夜、風呂上りにバスタオルを巻いただけの格好で出てきた辻沢に、思いがけなく欲情してしまった阿久津。
 同じベッドに入るも、眠ることができるはずもなく、誘われるように辻沢に口づけてしまう。
 翌朝目覚めた辻沢は、思いもかけず、過剰な反応を示していて――

 という話でした。
 何もかもが順調に行っていて、社内でも「夫にしたい男ナンバーワン」とまで言われていた男が、一人の部下に恋をしたことで身を崩してしまい、最後は破滅を迎える話でした。
 なんというか――商業BLでこのラストはありなのか……というのが、一番正直な感想でした。

 読む人のためにはっきり言っておきます。
 死ネタです。
 知らずに手を取ってしまった苦手な人は発狂しそうなくらい死ネタです。
 ちなみに、個人的には割りと好きな方なんですが、逆にちょっと物足りない。

 ページ数の関係だと思うんですが、もっと狂おしいくらいの二人の関係を書いてほしかったと思うし、バレるまでの経過ももうちょっとドキドキするスリルのあるものであってほしかったなーと思います。

 それから、もう一作、入っているんですが、こちらも人によってはアンハッピーエンド。
 かなりどきつい話です。

 これはもう、「BL」という枠じゃなくてもよいのでは? という感じの話でした。
 評価は思い切り分かれるかと思いますが、個人的には過去に書きたかった話の亡霊がこんなところに出てきたか――というような感じがしました。
 今はもうちょっと明るい話の方が好きです。

 死ネタがお好きな方には満足いただけるもののような気はします。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 小説(BL)
感想投稿日 : 2012年12月2日
読了日 : 2012年12月1日
本棚登録日 : 2012年12月2日

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