ジャングルの中で得体の知れない通気口を見つけた練と千華子。
二人はついにティカルだと思っていたピラミッドに辿り着いたけれど、そこはティカルとは似ても似つかない場所だった。
二人の前に聳え立つ赤く塗られたピラミッドは不気味で、思わず近寄るのをためらうくらいだけれど、他に目立つものもなく、これ以上歩くことは体力的にも難しいという判断から、その近くの場所で助けを待つことにした。
けれど、そこでは「誰かに見られている」という感覚が抜けず、練と千華子はなかなかゆっくりと休めずにいた。
一方の練の父である賢は、兵士の監視の目をかいくぐり練と千華子を助けに向かう。
しかし、思うように物事が進まず、遠回りを余儀なくされ、イライラが募る。
ようやく落ち着くところを見つけた練と千華子だったが、今度は千華子の身に異変が起きる。
千華子が高熱を出したのだった。
どうすることもできず千華子が死んでしまうかもしれない恐怖に怯えるしかない練だったが、そこについに練たちを怯えさせていた「謎」が姿を現した。
千華子を病気から救ったらその「謎」であったが、「謎」は練に対してとんでもないことを言い放つ。
そんな感じの話でした。
ついに地下に潜んでいたものの正体が暴かれるけれど、練にとっては更なる悪夢の始まり――で終わっています。
かなりドキドキします。
なんだか普通の家族の群像劇だったはずが、遂には地下の異世界にまで引きずり込まれ、おまけに「マヤの成人の儀式」というやつに練が巻き込まれてしまう。
さすがこの作者さん、という感じはすごくします。
クーデターはクーデターで、それなりに何か裏がありそうな雰囲気もたくさんあるので、これはこれで今度このクーデターが練たちの置かれた境遇にどういうように絡んでくるのかが、とても楽しみです。
欲を言うのなら、これ「毎月刊行」という随分無茶な形で出された本なので、かなり薄いです。
なのでさらっと読めてしまうのが面白いんですが、薄すぎてちょっと物足りない――というのが正直なところです。
どうせなら厚いのをさくっと読みたい! と思うので、そういう人がもしいたら、その人はおそらく一冊にまとまっているのも発売されているようなので、それを買っていただければ――と思います。
- 感想投稿日 : 2012年10月11日
- 読了日 : 2012年10月10日
- 本棚登録日 : 2012年10月11日
みんなの感想をみる