タイトロープダンサー〈STAGE5〉 (リンクスロマンス)

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本棚登録 : 120
レビュー : 18
著者 :
彩波(いろは)さん 小説(BL)   読み終わった 

 グイドを救うため、サマル中継基地に潜入していた三四郎は、「心の死」を自らの力で乗り越えたカイと再会し、改めて司令官奪還とグイド救出のための作戦を決行する。
 しかしそれは、人も足りない、武器も足りない、時間も足りない……中での非常に危険な作戦だった。
 カイの立てた作戦により、司令官を奪還する組とグイドを救出する組の二つに分かれ、全層警告とともに、それぞれが作戦を開始する。グイド救出組に入ったカイと三四郎は幾多の困難を乗り越え、グイドを救い出したものの、司令官を救出する方の組は困難を極めていた。
 三四郎とカイは、すぐに司令官救出組へと応援に向かうが、そこで待ち受けていたのは残酷な決断を迫る状況だった。

「俺しか出来ないからやる」

 自分の命を落とすであろう決断をあっさり下した三四郎を、カイは必死に名前を呼び、すがり、思いとどまらせようとするが、三四郎は行ってしまう。


 そんな感じで、素直なカイさんにかなりびっくりさせられるこの巻。
 でも、ようやく見つけた安定は、三四郎なしではきっと成り立たない安定だから、それで本当によかったのかどうかはよくわからない。そして、何よりも、この巻が「あれ」なシーンから始まってることにとってもびっくりしました。いや、本当に。
 こんなラブラブな話じゃなかったと思うんだけど……? と、首をひねってしまいましたが、作戦は苛烈で、作戦が始まっちゃったらもう、こんなことする余裕なんてまったくないから、最初だったのか……と、今はちょっと納得してます。

 これで、ついに長く長かった「青の軌跡」シリーズが完結してしまいました。
 もう、今は呆然とするしかないのですが、いい本は、好きな本はずっと続いてほしいと願ってしまうものなんですよね。でも、どんなものにも終わりが必ずあって、こんなに長いこと、投げ出さずにピリオドをちゃんと打ってくださった作者さんにはちゃんと自信の手でピリオドを打ってくれたことを感謝しないといけない……とは、思うんですが。
 最後に納得しないわけじゃないんです。とってもこの二人らしい終わり方で、いい終わり方だったと思います。
 ただ、まだ続きを書ける余地がある気がして、どうしてもそこの二人を知りたくて、是非、続きが欲しい! と、思ってしまいます。
 まだ、カイに成長する余地はちゃんと残ってると思うし、二人の関係を前進させる余地もあると思うんですよね。要するに、続きを書く余地が十分にあるので、是非続きを! と、思ってしまうような、そんな名作でした。
 今までみたいに、レッドアラートも何にもなくてもいい、普通に幸せな二人が見たいです。

 と、思わせてくれるような小説です。
 最後まで成長過程であると思わせるような二人が、二人の関係を構築して行く話。不器用だけど、まっすぐ。ついでにSF要素もちゃんとハラハラドキドキ。しっかりした舞台構成の上に立っているので、そちらの面でも十分に楽しめると思います。

レビュー投稿日
2011年10月15日
読了日
2009年5月6日
本棚登録日
2011年10月15日
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