一部になるが、「恐怖」と「美意識」と「人工知能」を紐づけていたところが面白かった。
ここに打つとまずいと人間が思うところに、ソフトは打ってくるところから、「人工知能には恐怖心がない」と言う。人間は、思考の死角や盲点など、防衛本能や「生存本能」に由来しているように思えるから、人間との共存においては、恐怖という感覚が必要であろうと。
別の観点では、「美意識」を軸に、これが、「安心」や「安定」のような感覚と近しいものであるとし、棋士が手を絞り込むとき、「美しい」と感じられるのが基本の形に近い見慣れたものだからであり、人間の長い歴史のなかで獲得して来た本能として、危険察知(恐怖)の延長線上にあるのではないかと。
ただ、人間の思考が全て正しいという立場ではなく、人間が知らない領域を人工知能が拡張してくれる可能性にも言及していたりする。
ディープマインド社のデミス・ハサビスとの対談で、人間が優れているポイントとして「柔軟性」と「汎用性」という点に触れてられていて、取り敢えず、直近の焦点はこういうの所の実現に向かうのだろうという潮流も書かれている。
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- 感想投稿日 : 2018年1月27日
- 読了日 : 2018年1月27日
- 本棚登録日 : 2018年1月14日
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