本書では、バリューエンジニアリングを株の側面から企業分析に応用してその事例を詳細に記載してくれている。バリューエンジニアリングと言っても高度な話ではなく、非常にシンプルに機能とコストのバランスなのだが、当てはめる数字をどのようにセットしていくのか?と投資ストーリーの設定がコツとの事。
数字の方は、
上昇可能性= 本質的価値/ 株価 -1
という式が提示される。
例えばある企業一株の本質的価値が1500円で株価が1000円なら、上昇可能性は、50%となる。
本質的価値という言葉が出て来るのだが、これが具体的に何なのか?についてが、ちと難しい。
本質的価値は、あるべきPERと実力値ベースの予想EPSに因数分解されますが、あるべきPERの算出の数値を提示(ある範囲に固定)してくれているところが良いのではないかと思います。
実力値ベースの予想EPSについては、更なる因数分解はこの本ではされていませんが、他のバリュー投資本ではあったりするのであえて触れていないのだと思いました。財務諸表を見てこうやって計算すると出るよということではなく、この本質的価値を自分の頭で個別企業に当てはめて算出していく手法が書かれています。
投資対象のフィルタリングの手順や投資に至った時の
投資ストーリーとVE投資一覧表のログを残しておく事など、エナフンさんのノウハウが提供されてます。
なんか、この手の本を読んでもなかなか四季報とか個別銘柄の情報に気が向かないんですよね… やっすい株じゃない買い物する時には、比較するのに、大損するかも知れない株では、比較しないで気分で動いてしまう…
- 感想投稿日 : 2021年8月4日
- 読了日 : 2021年8月4日
- 本棚登録日 : 2021年8月4日
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