北原白秋歌集 (岩波文庫 緑 48-4)

著者 :
制作 : 高野公彦 
  • 岩波書店 (1999年5月17日発売)
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本棚登録 : 206
感想 : 13

白秋は青年期から晩年にいたるまで、一貫して歌を詠み続けていたようだ。それらの成果は多くの歌集として残されたが、やはり『桐の花』にこそ白秋の真髄があると思う。短歌でありながら、あたかも象徴詩を思わせる表現がそこには見られる。例えば「…雪よ林檎の香のごとくふれ」の歌は、雪だけが降りしきる白一色のモノトーンの世界だ。しかし、林檎という言葉はそこに一瞬のあざやかな紅の残影を帯びさせる。まさに新古今三夕の歌の定家だ。しかも、「林檎の香」には、甘くそして切ない、匂い立つばかりの憂愁と哀しみの香りが揺曳するではないか。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2013年9月26日
読了日 : 2013年3月18日
本棚登録日 : 2013年9月26日

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