夜会服 (角川文庫 み 2-5)

著者 :
  • 角川書店(角川グループパブリッシング) (2009年10月7日発売)
3.88
  • (18)
  • (39)
  • (24)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 388
感想 : 37

三島の長編小説の中では、マイナーな作品の部類に属するだろう。物語の中核をなしているのは、いわゆる嫁・姑問題なのだが、そこはハイ・ソサエティの世界での出来事なので、TVドラマなどとは大いに違った様相を(本質は変わらないのだが)呈することになる。なにしろ、準主人公(姑)の滝川夫人は、趣味の乗馬(かなりな腕前だ)と、宮様や各国の大使夫人を招いてのパーティに明け暮れているのだから。それにしても三島の描く女はうまい。絢子(嫁)も、滝川夫人も実に鮮やか。ただし、それは歌舞伎の女形が女を観察するかのようでもあるのだが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2013年9月24日
読了日 : 2012年7月6日
本棚登録日 : 2013年9月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする