タイトルは『ヴェネツィア物語』だが、実質的には「ヴェネツィア美術案内」といった内容。前半は塩野七生のエッセイで、スルタン・マホメット2世のもとにベッリーニを送り込んだように、「外交の武器」としての絵画、また現代では観光の核としての屈指の美術都市ヴェネツィアを語る。後半は宮下規久朗によって、やや体系的にヴェネツィア美術史が語られている。しかしヴェネツィアは、海運王国としての地位をオランダやイギリスに奪われた18世紀以降でさえ、「優雅なる衰退」などと、まことにどこまでも艶麗なのである。
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☆美術
- 感想投稿日 : 2013年9月24日
- 読了日 : 2012年7月7日
- 本棚登録日 : 2013年9月24日
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