この本が会社務めの傍らに書かれたということにまず驚く。次いでは著者の関心領域の広さと統合力に。内容的には「深読み」とする感想が多いようだが、私は全面的にではないまでも、ほぼ著者の解釈に賛同する。特に評判の悪い五行説にしてもだ。宮崎駿自身の意図がどうあれ、その根底にある「自然」観は本質的には「自然」との合一をを指向する東洋的なものだ。「非対称」の原罪をも覚悟しつつ。そして、そうした論理からすれば『もののけ姫』を宮崎アニメの思想的な頂点とするのも当然だ。また、宮崎作品における「母性の不在」の指摘も新鮮である。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
☆ノンフィクション
- 感想投稿日 : 2013年9月25日
- 読了日 : 2012年11月10日
- 本棚登録日 : 2013年9月25日
みんなの感想をみる