本書はかつて毎日新聞の日曜版に連載されていたのを纏めたもの。そうしたメディアであったために、いつもの澁澤に比べると、ペダントリーの拡がりにはやや乏しい。だが、まあそれも仕方がないといったころか。タイトルに東西とあるように、西欧の、はたまた日本や中国の文献が多数登場してくるが、感心するのはこんな文献までと思われるようなものまで網羅していること。今回は、特に日本の古文献にそれが目立つ。木村兼葭堂『兼葭堂雑録』、大田南畝『半日閑話』、大江匡房『狐媚記』、洞院公賢『拾芥抄』など、まさしく縦横無尽だ。
読書状況:読み終わった
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☆澁澤龍彦
- 感想投稿日 : 2013年9月26日
- 読了日 : 2013年4月2日
- 本棚登録日 : 2013年9月26日
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