倚りかからず

  • 筑摩書房 (1999年10月1日発売)
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感想 : 62
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詩人は常に孤高でなければならないのだろう。表題作「倚りかからず」はまさにそうだ。そして、孤独であることに誇りを伴っている。詩人の眼は、また限りなく優しい。そして郷愁を運んでくる。詩人の心は時に空間を、あるいは時間を遥かに超えてゆく(「木は旅が好き」、「鶴」)。また、ある時には詩人の着想は突飛だ。ピカソのぎょろ目がバセドウ病だなんて。詩人は人の生き方に崇高なものを見つめる(「マザー・テレサの瞳」)。そして、詩人の眼はいつも驚きに見開かれている(「水の星」)。ほんとうにいい詩集だった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ☆日本文学
感想投稿日 : 2013年9月27日
読了日 : 2013年9月13日
本棚登録日 : 2013年9月27日

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