かつて、'60年代後半から'80年代前半にかけて寺山修司の率いる劇団「天井桟敷」は、世界の演劇界を席巻していた。残念ながら、それをライヴで見ることはできなかったが(もっとも、今も他の劇団による寺山劇の再演はしばしば行われている)、幸いにも彼の残した短歌と俳句は相当な数に上るものがある。短歌は、寺山らしい魔的で情念的な暗さを持つ独特の世界を形成しており、短歌史においても異彩を放っている。「売りにゆく柱時計がふいに鳴る横抱きにして枯野ゆくとき」をはじめ、他では見られない歌がここにはたくさん収録されている。
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カテゴリ:
☆日本文学
- 感想投稿日 : 2013年9月24日
- 読了日 : 2012年7月31日
- 本棚登録日 : 2013年9月24日
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