密林の語り部 (新潮・現代世界の文学)

  • 新潮社 (1994年2月1日発売)
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本棚登録 : 30
感想 : 5
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語り部パートは現在と過去が入り混じり(それもそのはず、マチゲンガ族の言葉には過去形がないのだという)、正直読みづらかった。
タスリンチは善の神であるらしく名前でもあるらしくしかも明らかに複数いて呼びかけにも使うので最初はかなり戸惑った。最終的に自分の中で「ムッシュ」と置き換えて読むことで解決した。

「私」パートは一転読みやすく語り部の正体が明らかになるあたりではかなり引き込まれた。

ビラコッチャは侵略してきた白人のことだろうと検討をつけていたが元々は古代インカの神のことらしい。スペイン人を最初神の再来だと考えていたなんて切なすぎる…。

文明社会から密林の少数民族へ完全に転生したマスカリータを思うと何とも言えない思いに囚われる。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文学
感想投稿日 : 2015年12月20日
読了日 : 2015年12月20日
本棚登録日 : 2015年12月20日

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