2019年4月27日図書館から借り出し。
やはりハン・ガンという人は小説家である前に詩人であることを再確認させられる素敵な本だった。
冒頭から「白いもの」について書こうとしたことを明らかにしてから書き始める。その「白いもの」は雪であったり、犬であったり、衣装であったりする。ソウルからワルシャワになったりと、おそらくは著者の実体験がそのまま読者のイメージを膨らまさてくれる言葉となって溢れてくる。残念ながら朝鮮(韓国)語ができないので、原書にあたることはできないが、斉藤真理子さんの日本語は柔らかくて、それでいて鋭い。
一番感心したのは用紙を変えて四層に別れた美しい造本と、Douglas Seoktという方の幻想的な写真、それに佐々木暁という方の装丁の丁寧な仕上げが、本としての完成度を高めている。
本好きにはたまらない一冊!
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
世界文学
- 感想投稿日 : 2019年4月27日
- 読了日 : 2019年5月1日
- 本棚登録日 : 2019年4月24日
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