何者

3.86
  • (803)
  • (1358)
  • (738)
  • (173)
  • (48)
本棚登録 : 7972
レビュー : 1443
著者 :
vilureefさん 朝井リョウ   読み終わった 

物語の前半まではSNSの記述が目新しいだけで多少退屈した感は否めなかった。
あれ?これが今一番旬の朝井リョウ!?
大したことないじゃん、などと思っていると・・・。
いや~、とんでもなかった。最後の最後での追い込みがすごい。
就活の辛さと現代のSNSでのコミュニケーションを軸に若者の姿を描いただけかと思っていたらとんでもない。
これはある意味サスペンスだ。
泥臭さなど感じさせない最近の若者の爽やかな仮面が徐々にむき出しになって、その裏の姿を表した時の描写は鬼気迫る。
怖かった・・・。

時代を反映した若者の姿はまだその空気感がリアルに残っている朝井さんではなくては書けない。
またそれだけでなく新進作家なのに、構成や台詞の選び方などは「何者」どころか「ただもの」ではない。
これからどんな作家になっていくのか非常に楽しみな人である。

ただ一点。
就活をしている登場人物の通う大学がどうしたって一流大学としか思えない。実際そう言う設定なんだろうけど。
私の経験上、実際には大手企業の説明会にさえエントリー出来ない学生の方が圧倒的に多いだろうし、ほとんどが面接までたどり着けない。もしや今は違うのか?
もう少し、その他大勢の学生たちの就活の姿をすくい上げるともっと深みのある作品になったんじゃないかなと思う。
というわけで、☆4つ。

レビュー投稿日
2013年5月14日
読了日
2013年5月13日
本棚登録日
2013年5月14日
25
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『何者』のレビューをもっとみる

『何者』のレビューへのコメント

ヒョードルさん (2013年7月3日)

vilureefさん、こんばんは。
このオチといい、会話・心情説明と言い、
恐ろしい作家ですよね。ほんと、私は驚愕でしたよ・・・。

vilureefさん (2013年7月3日)

ヒョードルさん、こんにちは。

朝井作品は数冊しか読んでいないのですが、この本は別格でした。
まだ若いし、これからが楽しみな作家ですね(^_-)-☆

コメントをする場合は、ログインしてください。
ツイートする