私がアルビノについて調べ考えて書いた本――当事者から始める社会学

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著者 :
violinprinceさん  未設定  読み終わった 

遺伝的なものを原因として、本来生成されるはずの色素が生成されず、肌の色、髪の色が白くなる。そうしたことから“白皮症”“白子症”などと称されてきたアルビノ。眼の色も淡くなったり、弱視になるという(こうした一連の症状は、また個人差もあるという)。本書はアルビノ当事者で、障害学を研究する著者による、アルビノについてじっくりとアプローチし考察を深めるもの。

なかなか興味深い内容だった。400ページを超すもので、聞きなれない文言のパターンも少なからずあったが、それでも読んでしまった。特に後半はアルビノの人たちへのインタビューを通して、この症状がもたらす社会的な問いを、ひとくくりでなく多面的にアプローチしていて、引き込まれた。

「重度の障害に比べればマシ」とくくられ、多くの“障害”の中から取りこぼされてきたところが多々あるという。また、アニメに見られる“アルビノ萌え”(例えば白髪で眼が紅く、不思議な力を持つ美形の人物への傾倒)といった現象についても、社会学的な面からアプローチをしていて、説得力のある論を展開してくれる。

多分、この本は解答や方向を示す、といったのではなく、アルビノ、あるいは広く障害についての“問い”を投げかけている。じゃあ、どうやっていろいろな問題を解決をしていくのか、はっきりいってわかないんだけど、この本に出会う前よりか、少しアルビノについて、障害について考えられるようになった、ということは何となく自分にとってプラスになったと思う。

何はさておき、自身の責任でも何でもなくてアルビノになった人、これはもしかしたら自分もそうだったかもしれない、あなたもそうだったかもしれない、あなたの兄弟姉妹や子どもだってそうだったかもしれない(そうなるかもしれない)、そうした本人の責任に帰するところが全くない人たちが、社会の無理解によって生きづらさを強いられている、というのは何とかしなくちゃいけないよね、とここだけは偉そうに聞こえるかもしれないけど、ほんとに感じた。

レビュー投稿日
2018年2月4日
読了日
2018年2月4日
本棚登録日
2018年2月4日
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