無関心という大罪。 確かに、自分の大切な人に何か不幸が起きた場合、何より腹立たしいことは、被害者に対する関心の低さだろう。 被害者が感じた恐怖や苦しみや絶望に想像を馳せないということ。 その怒りは、加害者だけでなく、周りの全てに向けられる、その気持ちはわかる。 ただ、そんな大罪を責められるほど、周りの全ての不幸に想いを馳せている人なんているわけがないから、僕らは皆罪深く、許し合わなきゃいけないらしい。 と言っても、互いの罪深さを盾に開き直っちゃいけないわけで、やっぱり他人の不幸にはできるだけ共感し、自分の不幸に共感されないことを、できるだけ許さなきゃいけない。 罪も、感情も、イチかゼロじゃなくて、グラデーションだから。
独白形式だからこそ輪郭がハッキリするそれぞれの無関心。 手法とテーマがばっちりハマってました。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2016年9月11日
- 読了日 : 2014年5月13日
- 本棚登録日 : 2016年9月11日
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