若冲になったアメリカ人 ジョー・D・プライス物語

  • 小学館 (2007年6月14日発売)
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本棚登録 : 90
感想 : 12
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裕福だからこそ。
ではあるけれども、プライス氏がいなければ今日の若冲人気はなかっただろうし、私が葛蛇玉の「雪中松に兎・梅に鴉図屏風」の前で立ち尽くすこともなかったでしょう。日本人から見向きもされていなかった絵師や江戸時代絵画にこれほどまでに情熱を傾けて、しかもそのコレクションを自分のためではなく広く世の中に広めていくために惜しみない愛情を注いでいる。
絵を美術館の無機質な光の中で見るのではなく、自然光のもとで見てこそ日本美術の良さがわかると展示方法にもこだわり、日本美術の素晴らしさを教えてくれるプライス氏。
日本館建設にあたっての苦労話がとても興味深かった。次に建てるときは是非日本にお願いしたいと思うのですが、その後どうなんでしょうか。

本人によるコレクション解説が面白かったです。呉春の幽霊図にまつわる話に思わずぞっとしました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ジョー・プライス・山下裕二
感想投稿日 : 2010年5月4日
読了日 : 2010年5月4日
本棚登録日 : 2010年5月4日

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