侵蝕 壊される家族の記録 (角川ホラー文庫)

  • KADOKAWA (2016年6月18日発売)
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本棚登録 : 648
感想 : 59
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最後の参考文献のページを見て、やっぱりあの事件が元になってたのかとさらに心が沈みました。
幕間と皆川家の時間が重なり合う第四章からエピローグ、私は泣かずにはいられなかったです。ホラーで泣いたのは始めてかも。
山口葉月がなぜ長きに渡って色んな家庭に寄生することになったのかまでストーリー掘り下げられてたらもっと良かった。
情状酌量の余地なんかないくらいあの女は酷いことしてきたけど、そう至る背景を見てみたかった。
そもそも理由も無く、なんとなく家庭を壊し続けていたのなら、余計山口葉月という女に恐怖を覚えたことと思う。
読み終わったあと、少しの間だけホラー、イヤミス小説読むの辞めようと思った。
それだけ辛すぎる展開が続く本でした。

家族への愛を失いそうになったら、過去に自分をたくさん愛してくれたことをたくさん濃く思い出して、憎悪をかき消せるくらい強い心を持ちたいと思えました。
実際、皆川家と同じ状況に自分が陥ったらそれは無理かもしれないけど…。
にしても美海ちゃん、最後まで本当によく頑張った。
始めてハグしたい衝動に駆られるほどの登場人物に出会えました。
小説の中の人物とはいえ、この先どうかみんなに幸あってくれと願わずにはいられないです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年4月28日
読了日 : 2022年4月28日
本棚登録日 : 2022年4月28日

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