クスノキの番人 (実業之日本社文庫)

著者 :
  • 実業之日本社 (2023年4月7日発売)
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本棚登録 : 12047
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2023.6.13 読了 ☆9.2/10.0

『秘密』『時生』『ナミヤ雑貨店の奇蹟』に続く、感動エンターテインメント作品。

帯には、そんな言葉がある。

久しぶりの、東野圭吾さんの本格ミステリーではない、ファンタジーなヒューマンドラマ長編作品です。



言葉で伝えようにも、伝わり切らない想いがある



そんな、感じていること、考えていること、生きてきた事実……そんな、その人の全てである"念"を後世の人に伝え残すことができる不思議なクスノキ

無念や観念、怨念、邪念、祈念、理念など、託したい想いの橋渡しとなるクスノキの番人を務める千舟とその甥っ子の玲斗。


ラストでは、伝わりきらない想いを繋ぐクスノキの大切な番人をしている彼らが、クスノキに頼らなくても、言葉に託さなくても伝わる想いがあるということが描かれている。


言葉の壁を超えて、彼らの想いは"情念"となって伝播し合う。


じんわりと涙が出てくる、そして不思議な世界にお邪魔したような、そしてこれからも生きていく勇気を与えてくれる、そんな読後感でした。


〜〜〜〜〜〜以下、心に響いた言葉〜〜〜〜〜〜



"自分たちが食べたいと思ったものを、お客様に召し上がっていただく。つまり自分がして欲しいと思うことをお客様にしてさしあげる。それがサービスの基本" p.251



"じゃあ訊くけど、君はミッキーマウスの正体を知ってる?
東京ディズニーランドでミッキーマウスを演じているのはどこの誰か、君は知ってるかって訊いているんだ。知らないだろ?社内ルールで、絶対に明かしてはいけないことになっているからだ。本人だけじゃなく、正体を知っている関係者は全員契約者にサインをさせられ、破った場合は高額な罰金を取られるという話だ。そのルールを破って、ミッキーマウスの正体を明かした人間がいるか?SNSでバラした人間はどう?いないだろ。秘密保持のルールを徹底することは不可能じゃないんだ。
たとえ、うっかり口を滑らせる人間がいたとしても、聞いた人間が信用しなければ噂は広がらない。都市伝説の類だと思われて、それでおしまいだ。この手の話は、実際に関わった複数の人間が証言しない限りは事実と認定されない。" p.273



"あなたの生き方に口出しはしません。
ただ、一つだけアドバイスするならば、この世に生まれるべきでなかった人間などいません。どこにもいません。どんな人間でも、生まれてきた理由があります。そのことだけは覚えておきなさい" p.417



"今の世の中、いいことだけをして生きていけるほど甘くないもんね。家族を養ったり、従業員にお給料を払ったりするためには、人の弱みにつけ込んだり、人を押しのけたりしなきゃいけないこともある。
清く正しく美しく、なんて幻想。"       p.424



読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2023年6月13日
読了日 : 2023年6月13日
本棚登録日 : 2023年6月13日

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コメント 3件

yhyby940さんのコメント
2023/06/16

私の本棚をフォローして頂き、ありがとうございます。私も東野圭吾さん・伊坂幸太郎さん・重松清さん、大好きなんです。この作品は、まだ読んでませんので読みたいと思います。ありがとうございます。

わーーーーーさんのコメント
2023/06/16

がんさん、こちらこそフォローとコメントありがとうございます!

好きな作家さんが同じで嬉しいですし、きっかけになれて嬉しいです!

yhyby940さんのコメント
2023/06/16

今後も参考にさせて頂きます。よろしくお願いします。

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