客人(ソンニム)

著者 :
  • 岩波書店 (2004年4月27日発売)
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感想 : 3
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 「1950年10月17日から12月7日までの52日間、侵入してきた米軍は3万5038人の罪のない一般の住民をもっとも残虐な野獣的な方法で殺戮する(略)空気穴からガソリンを撒いて焼き殺したとか、多くの女性たちを近くの温泉に連れて行って強姦した後、庭の池に追い込んでから手榴弾を投げて爆殺したとか(略)」しかし驚くべきことに、ここでの虐殺は米軍の北上と南下の期間中、キリスト教青年団を中核とする反共右翼勢力の手によって恣行されたものであったのだ。(略)北側はこの恐るべき信川での虐殺を同族によるものだということを隠し、あえてそれを米軍の仕業にしたというのが真相である思われるが……(訳者あとがきより)
 著者は韓国政府の許可を得ずに北朝鮮にわたったことで、後日逮捕された。『第三次辺境10号』(影書房発売)で、日本の作家井上光晴氏と対談している。そこで、韓国軍兵士としてベトナム戦争に参戦させられたことが原体験になっていることを語っている。
 朝鮮戦争によって、敗戦国日本の経済は復興できた。日本人の幸運さと朝鮮人の不運の歴史の中で、あらためて戦争とは何か、軍隊とはなにかを内戦の悲劇を通じて考えさせられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2019年1月17日
読了日 : 2019年1月17日
本棚登録日 : 2019年1月17日

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