もちろん注目は、19歳で、新潮新人賞最年少受賞の高尾長良「肉骨茶」。本当に女性が書いたのかというほど、難解な漢字がたくさん使われており、物語に入り込みづらいのが難点。
それにしても、内容そのものの迫力は凄い。開始数ページで、主人公の女の子が、母がタッパに詰めた中華料理を、トイレに捨て流す。母親には内緒に、トイレにぶちまける。トイレも、捨てられた食べ物を「飲み込みづらそう」にしている。
拒食症のその子は、なんとか飲食しないようにと、あれこれ思索するのだが・・・。
嫌々ながら食べてしまった、飲んでしまったものから「体」を取り返すために、彼女は筋トレをする。それは物語序盤から終盤まで常に描写されており、その光景が異様にシュールだ。
文章の読みにくさ、冒頭でも述べたように難解な漢字が多く使われていることで、物語に入り込みにくい。しかし、それを上回るパワーが、この作家にはある。次作に期待したい。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
新潮
- 感想投稿日 : 2012年10月23日
- 読了日 : 2012年10月23日
- 本棚登録日 : 2012年10月23日
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