1995年、大地が裂けた。時代が震えた。
阪神淡路大震災、地下鉄サリン事件と未曾有の災厄が相次いだ一年、戦後五十年かけてこの国が築き上げたあらゆる秩序が崩れ去っていく……。
昭和史の闇を抉った傑作『地の底のヤマ』の著者が描き出す平成の奈落。
雑誌記者として奔走した自身の経験が生んだ渾身の力作長編。
年明け早々に阪神地方を襲った大地震に衝撃を受け、被災地に駆けつけたヴィジュアル月刊誌「Sight」記者の古毛は、その凄まじい惨状に言葉を失う。神戸でも火災被害の激しかった長田地区では焼け跡に佇む若い女と遭遇。夕方の光を背にこちらを振り向いたときの眼はかつて戦場で出会った少年兵とそっくりだった。果たして彼女は何者なのか?
めちゃくちゃ好みな一冊だった。1995年を取材しているような疑似体験感を味わえた。締め切り直前の編集部の慌ただしさや事件が起きた時の臨場感は、作者がフリーライターだった経験がふんだんに生かされているのかな?リアリティーのあるストーリーに対して、ラストの展開がガバガバすぎるんじゃないか?とも思ったけれど、面白かったから良し。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2021年9月20日
- 読了日 : 2021年8月11日
- 本棚登録日 : 2021年8月11日
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