進化論を拒む人々―現代カリフォルニアの創造論運動

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  • 勁草書房 (1998年11月1日発売)
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アメリカではキリスト教のファンダメンタリスト(原理主義者)らを中心に聖書の創造論を事実であると信じている人が一定数いる。創造論と対立する進化論を一部受け入れる人々もいるが、進化論を完全に否定する人々もいて、その内実は多様である。
彼らは教育においても進化論ではなく創造論を教えるように何度も運動を起こし、進化論者と対立している。「スコープス訴訟(モンキー裁判)」などで、創造論者たちの意見は否定され、公立学校の生物学教育において創造論を教えることは禁止されている。
しかし、創造論者はあの手この手で教育における創造論を認めさせるべく運動を起こしており、本書は1980年代のカリフォルニア州での事例を中心に、その内実を明らかにしながら、現代アメリカにおいても根強い進化論と創造論の対立を描いている。

筆者は文学が専門。筆致はややジャーナリスティックだが、割合進化論にも創造論にも公平な叙述をしている印象。
日本においては進化論の真実性は当たり前の事実のようになっているが、宗教と言うフィルターを通した時に、その事実は違った見方ができることに気付くだろう。その上で、宗教と教育の問題について考えさせられる。

日本にも疑似科学の問題があり、それを念頭に置きながら考えることも可能だが、むしろ「新しい歴史教科書をつくる会」などの歴史修正主義をどう見るのかという問題にも通じるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2011年10月20日
読了日 : 2011年10月20日
本棚登録日 : 2011年10月20日

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