現実のなかでふわふわと浮いた気分に浸らせてくれる小説だった。
一見、よくある流行りの小説に読めてしまう。伏線を張っておいてあとで衝撃の事実が判明したり、登場人物が死んでしまったり。もちろんこれらも、細かい技法で読者を喜ばせてくれている、素晴らしい部分であると思う。
しかしそれは、この物語を語る上で一番重要なところではないのだ。
二つの物語が溶けて混ざるかのように段々一つになっていき、そしてまた分離していく…一冊の小説だけで進んでいくそれは、天晴としか言いようがない。
胸にじわりじわりと押し寄せてくるような感情を是非、色々な人に味わってもらいたい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2015年1月5日
- 読了日 : 2015年1月5日
- 本棚登録日 : 2015年1月5日
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