魔法: その歴史と正体 (912;912) (平凡社ライブラリー せ 5-1)

  • 平凡社 (2021年1月10日発売)
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某古書店に世界教養全集版と人文社版がそろっていた。歴史を感じる。
参考文献に見えるコリン・ウィルソンの『オカルト』に誤植。

「西洋文明世界における魔術的な思想と作用」を簡潔にまとめた本。各章、各節すべてがより深遠な探求のテーマたりうる、それらをまとめたこの本はいわば各地へ通じる扉を備えた大広間の観。ここを起点にどこにでも深入りできそうで心が躍る。
「魔術的な」ものの影響範囲があまりにも広かっただけに、科学、宗教、哲学、政治、文学など、気づけば色んな領域に足を踏み入れているあたり、なかなか不思議な読み心地。しかも神学や哲学でなんとなく知った名前の(立派な)人が、一方では胡乱でいかがわしい著作を発表していたりする。しかしそもそも逆が真なのだから面白い。翻って、欧州全土に力を揮った「神」の強さも想像できる。宗教を支持する魔術、「自白」されたサバトの光景=ダークサイドのバプテスマ。『種の起源』が宗教を脅かせば宗教の援護に向かう科学が出てくる。特に現代のオカルティズムに通じるあたりはもっと読んでみたいかも。
なお、「魔法」「魔術」「呪術」「妖術」のような言葉をどう使っているのかわかりにくいことがしばしば。これについてははじめに訳者註でもあるとよかった。
参考文献は驚異の充実ぶり。日本語の本に絞っているうえ、小説作品まで載っている。やだ読みたい。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: オカルト
感想投稿日 : 2021年3月7日
読了日 : 2021年2月21日
本棚登録日 : 2021年3月7日

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