
カバーなしの単行本。青い翡翠に竜の鱗が浮かぶような、とても美しい佇まいに惚れ惚れ。価格もISBNコードも帯にお任せのシンプルさが清々しい。思い切ってる。帯の飾りも竜の鱗だろうか。
みそひともじの異界体験に胴震いがした。物語や空想のほか、そんなところにも、と思うような時と場所に、夢・幻・魔が口を開けて呼ばわっているような。それを見出し取り上げる感性と、格調高く美しく、しかも自由な言葉で表す戦いぶりに眩暈がする心地。読んで、見て楽しいばかりか、時には頭韻がりんりんと鳴って口ずさみたくなるようなものまで。今後も気になる歌人に出逢ってしまった。小説もあるらしい。読まねば。
- レビュー投稿日
- 2020年12月13日
- 読了日
- 2020年11月30日
- 本棚登録日
- 2020年12月13日
『Lilith』のレビューへのコメント
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