知の逆転 (NHK出版新書)

3.84
  • (291)
  • (542)
  • (336)
  • (51)
  • (16)
本棚登録 : 4193
レビュー : 473
wanderingtommyさん  未設定  読み終わった 

知ってる人なら知っている(だろう)、豪華な面子を揃えたインタビュー集。

『銃・病原菌・鉄』の「ジャレド・ダイアモンド」
言語学者「ノーム・チョムスキー」
神経学者「オリバー・サックス」
人工知能の研究者「マービン・ミンスキー」
アカマイ・テクノロジーズの共同設立者。数学者「トム・レイトン」
二重らせん構造を発見した分子生物学者「ジェームズ・ワトソン」

ジャレド・ダイアモンドのインタビューに興味をそそられて購入。他の方々については、恥ずかしながら、かろうじて名前を聞いたことがある程度か、さもなくば誰かわからないという程度であったが、読んでみると、なかなかどうしてエキサイティングであった。

個人的に特に印象に残ったのは、以下の2つである。

チョムスキーの資本主義批判。すなわち、市場に任せていると世の中は絶対にうまくいかないとの考え。これは、市場主義経済社会における私たちの常識を揺るがすようでいて、どこかしら「そうかも知れないよなあ」という不思議な納得もあり、「科学」の危険な側面を感じさせる。

一方、レイトンがインターネット上の交通渋滞を避ける方法を考えるために「n人の人がいて、m個のサーバーがあり、nとmが非常に大きな数字だった場合、みながハッピーに映画にアクセスするにはどれぐらいの時間を必要とするか」という数学的アプローチを用いたこと。これは、「科学」の可能性を感じさせる。

良くも悪くも、「知」が私たちの社会、生活やものの見方に与える影響は大きい。難しいことを知らなくても生きていける。むしろ、素朴な生活感覚を失わない方がよく生きられる。そういう考えもアリだ。しかし、「知」と格闘してきた巨人たちの姿や言葉も、また魅力的だ。アスリートへのインタビューとちょっと似ているかもしれない。

たまには知的な刺激を、という人に。

レビュー投稿日
2012年12月20日
読了日
2012年12月20日
本棚登録日
2012年12月20日
3
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『知の逆転 (NHK出版新書)』のレビューをもっとみる

『知の逆転 (NHK出版新書)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする