その着せ替え人形は恋をする(9) (ヤングガンガンコミックス)

著者 :
  • スクウェア・エニックス (2022年3月25日発売)
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感想 : 23
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海夢にとってはコスプレ衣装は衣装ではなくて、好きぴとの思い出が具現化したものだと思う。既製品の衣装でコスプレするかどうかを決める際にチラッと五条君をみるあたりも、コスプレは「二人で」やることなんだと思っているのが見てとれて尊い。
それに、今までの五条君がコスプレ衣装を作るためにしてきた努力と8巻での「俺が喜多川さんを1位にしてみせる」という五条君の覚悟を見てきたので、海夢が太って衣装が入らなくなったことを悔しそうに、申し訳なさそうに告白したことに感情移入した。五条君が何のためらいもなくサイズ直しを提案したことに海夢と同じくらい驚いたし、海夢がそれを即座に断ったのが嬉しかった。僕が海夢の立場でも断る。自分の不甲斐無さで、好きぴに苦労を掛けたくないし、思い出に手を加えるのは嫌だ。

海夢は自身が五条のことを好きだと認識していて、バイト先や美容室で五条君のことを「好きぴ」と話している。一方で五条君は、8巻でステージ上の海夢を見た時に意識がしっかりしたまま「綺麗」と言いかけたり、海夢が一番見てほしいのは五条君が作った衣装とメイクと言ったときに目が潤んだりしたが、9巻でも海夢のことを恋愛的に女性として好きという自己認識を抱いているのか不明瞭なままだった。五条君は性格が性格なので、海夢ちゃんのことをどう考えているのかとても気になる。

10巻では海夢が初めて五条君が作っていないコスプレ衣装を着ることになるが、既製品の衣装を着た時の海夢、自分が作っていない衣装を着ている海夢を見た時の五条君が何を思うのか!?9巻での衣装のサイズ直しの時のような二人の温度差は既製品の衣装を着た時もそのままなのか!?五条君の海夢に対する気持ちの自己認識への影響は!?とめちゃめちゃ続きが気になる!ジュジュ様も久しぶりに登場するし、10巻もめっちゃ楽しみ!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 青春
感想投稿日 : 2022年3月31日
読了日 : 2022年3月27日
本棚登録日 : 2022年3月27日

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