イタリア民話『不幸な星の下の娘』を下敷きに創作されたもの。
不幸の魔女に《しあわせの星》を奪われ、家族が不幸になるのを放っておくことができないフィオーラが知恵と勇気を胸に旅立つ物語。
こう書くとよくある話の一つなのだが、この物語の一風変わったところは魔女の倒し方である。
なんと世話になった洗濯女からプレゼントされた石鹸で魔女を洗い、綺麗にすることで不幸の力を奪うのである。
しかも綺麗になった不幸の魔女は改心し、遠い未来では《幸せの魔女》と呼ばれるようになるという結末付きで。
これが男主人公であれば剣や魔法を持ち出すであろうところを、非常に家庭的な方法で解決するというところがこの物語の凄さだと思う。
たなか鮎子さんの、特に青味のある絵のページがとても綺麗で見どころの多い絵本。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
絵本
- 感想投稿日 : 2011年9月12日
- 読了日 : 2011年9月12日
- 本棚登録日 : 2011年8月20日
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