「隔離」という病い―近代日本の医療空間 (中公文庫)

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著者 :
whiteboardsさん 人になる為の本   読み終わった 

近代史が始まる少し前の1907年、法律第11号「らい予防法」が制定され、1931年モダニズムの風が吹き荒れるなか国立ハンセン病療養所「長島愛生園」が竣工した。
 この本はハンセン病(旧らい病)について書かれたレポートだ。そしてハンセン病という「病気」を通して僕らが暮らしの中にある「病い」を捕らえ、それを導き出す論理的証明だ。全体を貫く大きな論考を補うかのように多様な史実や考察が引用される。間延びしそうな感じだが、ポイントごとに全体へ引き戻してくれて思考が途切れることはない。隔離と差別の話では終わらない豊かさがこの本にはある。
 前に永江郎が隔離施設をユートピアとして捕らえる考え方に危機感を示していたが、著者はそれを十分自覚しており、さらに思考を飛躍させる。全くいらぬ心配だったのだ。
 とりあえず読むべし。そして思考するべし

レビュー投稿日
2010年10月27日
読了日
2010年10月27日
本棚登録日
2010年10月27日
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