宇宙創成(上) (新潮文庫)

  • 新潮社 (2009年1月28日発売)
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・「家が石で造られるように、科学は事実を用いて作られる。しかし石の集積がいえではないように、事実の集積は科学ではない」―アンリ・ポアンカレ

・古代ギリシャ人たちは、太陽の直径を知るには太陽までの距離がわかればよく、太陽までの距離を知るには月までの距離がわかればよく、月までの距離を知るには月の直径がわかればよく、月の直径は地球の直径がわかればよいことを示した。距離や直径という足がかりは、北回帰線上にある深い井戸(エジプトのシエナに年に一日真上に日が昇るので底まで明るくなる井戸があるという。その同じ時間に離れた地点Aで地面に垂直に棒を立てる。その棒の傾き:360°の比はシエナと地点Aの距離:地球の全周と等しい)と、地球が月に投げかける影(皆既月食で欠け始め→真っ暗の時間と真っ暗の間の時間を比較すると月の直径と影としてかかる地球の直径の差が分かる。およそ4倍。太陽がとても遠くから光を放つので、地球から月にはほぼ真っ直ぐ影が落ちる。)と、半月のときには太陽、地球、月が直角三角形の配置になるという事実と、皆既日食のときには月がぴったり太陽に重なるという観察結果を利用して得られた。

・「実験による結果がいよいよ尽きるまでは、思弁という夢の領域に踏み込む必要は無い」―エドウィン・ハッブル

ギリシャ→中世から続く観測と地動説の解説からハッブルのドップラー効果を光に当てはめた赤方偏移による宇宙の膨張の発見まで。
下巻が楽しみ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 科学
感想投稿日 : 2014年1月22日
読了日 : 2014年1月22日
本棚登録日 : 2014年1月22日

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